海の生き物感があります。
磯にいそう。駄洒落じゃなくて。磯にいそう。棘皮動物っぽい。ナマコとかヒトデとかの仲間。イソギンチャクっぽさも。じゃあ刺胞動物かな。たぶん刺されると死ぬ。ケルベロス的なおもむきもある。冥界の入り口で待ち構えている。この三つ首が。吸われたらさいご。地獄行きのダクト。
真下からカメラを構えて軽いイナバウアーみたいな反り返ったポーズで撮っていたら、ちいさな女の子を連れたお姉さんが通りがかり、なんとなく蔑むような一瞥を向けられた気がします。いや、わからんけど。「それは撮りたいよね～」という共感の視線だったかもしれない。そうにちがいない。これを撮りたくないひとはいないだろうから。
そうだよね～。
きのう「ひとが写っているものを勝手にweb上にアップしちゃうのは控えたほうがいいかな」と書きましたが、これくらいの距離があればよいかな……。ほんとうは、人間を撮りたい。そう、いつも思う。でもいちいち話しかけて、許可をとって、ということもしていられない。みなさん、お忙しいんだ。それに、なんの目的もないヤツに写真を撮られる筋合いはない。怪しすぎるだろう。わたしだってそんなやつに撮られたくないわ……。こわいわ。目的を言え。理由を言え。最低限の社会的信用がないとね。
個人にカメラを向けるには、短い時間でもそれなりに親しげな関係をつくらないといけないのだと思う。一瞬でもいい。そこに高い高いハードルがある。たんにレンズを向けてシャッターを切ればいいわけではない。「写真に収める」って、あんがい暴力的だったりもするから。角の立たないようにコミュニケイトしないと、わたしはだめだと思う。ひとを撮るすべも、いろいろあるとは思います。でもすくなくとも、わたしが撮りたい写真は、親しみのこもったものなのです。
身近なひとなら、できそうだけれど。
それですら二の足を踏みがち。
イケてる壁。めちゃイケ。そういえば3月で、いろんなテレビ番組、ラジオ番組が終わった。平成の終わりを象徴するような番組改変。なんでも「平成の終わり」と解釈して片付けるのも考えもんだけど、平成はもう終わりなんだなーと区切りを入れる感覚が、この国で平成を生きたひとびとの無意識にじわじわとすりこまれている気がする。いまごろは、終わりの季節。つぶやくことばは、さようなら。
外国の方も、長く日本に住んでいれば、ひとつの元号の下にこの国の人間が立っている感覚が、染みこんでくるのかな。わたしは平成に生まれて、平成の世しか生きたことがないから、元号をまたぐのは初体験。昭和の終わりともまた、ちがうのだろうけれど。おそらく、まったくちがう。天皇陛下、生きてるし。
「国家意識」みたいなことばって、政治を語るひとがよく使うけれど、わたしはそんなもんあんまり意識しないでいるな。意識できないくらい「日本」が染みついているのかもしれないね。お国の話なんて、大仰にふりかぶっちゃって、ははは。どうよ、天下国家さん。
政治を語ることが「国の話」みたいになりがちだけれど、それだけが国ではなくて、べつに永田町や霞が関やなんかだけで日本のすべてがつくられているわけではないから、もっとちがった語彙の「国の話」があってもいい。「永田町」なんて存在しないころから、日本は存在していた。
さいきんでは肌感覚として、「日本」とか「日本人」とか言われるとき、へんに胸を張ったり、貶めたり、なにかを除外しようする文脈が働くような気がする（あくまで「気がする」）けれど、そういう「日本」ということばの使い方は、なるべくしたくはありません。どうしても国の話はドメスティックな内輪の語らいになる。それは仕方がない部分もあります。でもわたしは世界のどこにいても、日本を愛せるようになりたいと思う。それは、ここでひとつの時代を生きたじぶんを肯定するためでもあります。
個人のちいさな、力ない感覚から日本を誇ること。なんにもすごくなくていい。しかし卑下もしない。わたしはこの土地で生まれた。時代は平成だと言われた。気がついたときには日本語を話していて、それで読み書きを習い、日本語でひとにものを伝えて、たまたま、日本人として生きた。まわりにいたひとも、たまたまそんなひとが多かった。そう、たまたまなのです。この偶然だけを愛しています。
政治ではない、たかが一時代の「国家意識」とも関係のない場所、ずっとずっと遥かな過去から連綿と位置する元号の時間、そこに、わたしだけの平成と、わたしだけの日本がある。そんな個人や、家族といった細かなひとつひとつの連なりが、この国を形成している。お国のかたち。わたしに「国家観」なるものがあるとすれば、そんなところです。
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鼻がずるずるで、花粉症かな。だとしたらことしデビューです。気づいていなかっただけで、たぶん、ずっとそうだった可能性も否めません。ほかにもアレルギー性のちょっとした不調がいくつかある気がします。とにかく原因不明の腹痛に見舞われがち。胃腸が弱いだけかしらん。いつかしっかりとしたアレルギーの検査を受けたいと思う。すこやかな生活のために。いつか。
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