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日記527


数日前、TBSでやっていた「マツコの知らない世界」というテレビ番組に松任谷由実さんが出演して、うろおぼえですが「道を歩くときも、わたしはどかない」みたいなお話をマツコ・デラックスさんとされていました。

ぼーっと道を歩いていたら、こっちがどかないといけなくなるじゃない?みたいな。向かいから来る相手を全員どかすくらいの気を張って歩く。モーゼ的なやつ。マツコも「あたしはどかない!!と思って歩いたら相手がどくのよ」という感じのことを話していて、マツコもユーミンもすごいなーと思いました。いや、マツコ・デラックスが向かいから歩いてきたら、多くのひとは、どく確率が高い。日本の歩道、たいてい狭いし。マツコをどかすのは物理的に困難だろう。

しかしマツコではなくても、わたしはどきます。だれでも。すべてをかわして歩く。30mくらい先から来るひとの最短歩行ルートもいち早く読んで、気づかれないうちにわたしがずれておく。あなたはまんまと最短で歩き、わたしのことなど視界に入れもせずストレスフリーで道を行くだろう。ふふふ。これはこれで優越的な気分。

たぶん、わたしは通常のひとより挙動不審にきょろきょろ歩いていると思う。その理由としては、いろいろありますが、ひとつはなにが来ても身をかわすためなのです。忍者の末裔だから。どこから弾が飛んでくるかわからない。来るものをひたすらに回避しながら、こちらも見えない銃を撃ちまくる。見えない自由が欲しくて。ともかく、相手をどかすのではなく、じぶんがかわす。ユーミンとは逆の、回避のベクトルに気を張っています。向き合うのもいやだ。エンカウントしたくない。

おそらく道で向かいから来る相手に対して、ひとがとる態度は大きく3つあってそれは、相手をどかす、じぶんがどく、ぼーっと進む、という大雑把にこの3つくらい。ぼーっと歩いていたら、どくもどかすもないんです。ぶつかります。ぼーっと歩くひとは、どかすひとの気迫と、かわすひとの察知のおかげでぶつからずにいられるのです。

ぼーっと同士が向かい合うと、見事にぶつかってしまいます。そしてぼーっとしているため、すぐさま恋に落ちます。ぶつかってハッと我に返ったとき、最初に目に入った生き物に恋をしてしまう。まるでカルガモのヒナのように。親だと思ってついていっちゃうパターンもあります。わたしもたまに、ぼーっと歩いているから、恋に落ちまくりだし、親もたくさんいます。

幼いころ、ほんとうに知らないひとを親だと勘違いしてついていったことをふと思い出した。知らないひとに「お母さん!」と話しかけたら顔がちがったけど、気にしなかった。じぶんがお母さんと思ったらお母さんなのだ。そういう世界に生きていた。思い込みの激しいこどもだった。それから「なにやってるの!」と本物の親が登場し、連れ出され、困惑した。あれ?どっちがお母さんだ!?5歳くらいだったかな。鮮明に覚えているひとコマ。お母さんなんか、だれでもよかったのかもしれない……(ひどい)。

歩く態度は、わたしの観察眼だけがソースですが、コミュニケーションにもあらわれるのです。向かいから来るひととすれ違うことも、ひとつのコミュニケーションです。その一瞬。知らない相手に、どの時点で気がついて、どういった態度で接するのか。そんなふうに日常の動作からつなげて人間を見ると、なにがしか発見があるかもしれないので、おすすめです。歩行って、ほとんどの人間が無意識に行っていることなので、特におもしろい。天然の所作がそのまま出る。意識に踏み荒らされていない。無農薬の未開拓地です。

外を歩くとき、とにかく人間を遠めからでも回避したがるわたしは、そのまんまどんなときも人間を回避したいひとなのだろうな……。ははは。前から来るひとが気になるのはもちろんですが、背後も気になるのです。背後にひとがいると気持ちが悪い。俺の後ろに立つな。忍者の末裔と、ゴルゴ13の血も混ざっています。ハーフです。つねにいちばんうしろでいたい。最後方で全人類を俯瞰していたい欲望があります。神のように。ビリッケツが特等席。神さまの血も混ざっています。クォーターっていうの?神の隠し子です。いずれ神隠しに遭います。んで、お風呂屋さんで働かされるの。湯婆婆に名前の一部を奪われ、hoshino(旧名)がoshinになる。おしん。ちょうどいいから朝の連続ドラマのヒロインもやらされるの。そのドラマがなんか知らんけど社会現象になって、オシンドロームとか言われて、でもわたしはほんとうはおしんじゃないから居心地が悪くて、両親は豚にされているし、こんなこと週刊誌に嗅ぎつけられたらと思うともう気が気じゃない。夜も眠れない。豚の群れから両親を探り当てるから、人間の世界に戻してください……。


路上に、たまにこういう液体の痕跡がありますよね。たぶんどこでも。なんかこぼしたのか。飛び散っている方向と垂れている方向のちがい。道路のど真ん中です。わずかな傾斜に従って垂れる液体。なにかが踏まれてこうなったのでしょうか。

すごくどうでもいい……。

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