スキップしてメイン コンテンツに移動

日記565


多肉。谷くん。
めちゃんこ伸びました。

買った当初にぽっきり折れても、2週間お水をあげなくても余裕で生きていて、生命力はものすごく強いけれど、ただ、成長すると自立できなくなる。支えの割り箸を取り除くと、ばったり倒れます。また折れる。ちまこくなる。いっそ折ったほうがよいのかな。身の丈を知れ!!とばかりに。ぶち折る。

なにを言う。そんな無体なこと、できるわけないじゃないか。身の丈以上で生きていても、いいに決まっている。伸びていい。もっと見栄を張れ!!とばかりに。育てる。そう、ぶち折るより育てる。うそみたいに大きくなればいい。

見栄だけで生きて、うそばっかついていても、さいごに「ぜんぶうそでした」と言えばいいよ。言わなくてもいいよ。「貴女がついた嘘であっても私が信じれば本当になる」って、SNSのコメントで聞かせてもらったことばだけど、すごく好き。

谷くんは、うそつきだよ。この大きさは、あなたのついたうそ。じっさいは、こんなに伸びたらいけないのに。倒れるのに。ここまで生きていられないのに。わたしが、そのうそを、箸で支えてほんとうにしている。

裏側が丸見えの、ハリボテの「ほんとう」だけれど。いいじゃないか、べつに。わたしだって、おんなじなんだ。ほうっておかれていたら、とっくのむかしに死んでいるのに、ハリボテの支持棒を頼ってしまって、まだ寄りかかりながら生きている身なのだ。使い古しの割り箸がないと立てない、あなたとおんなじだ。

こんなに成長したら、倒れるに決まっているのに、まだ倒れない。わたしも、谷くんも、身の丈以上の時間を生きてしまった。うその空間へと伸びつづける。うその時間を生きつづける。「ほんとう」をくれる支持棒がたくさんある。見栄を張って、ほんとうにする。

100円ショップの多肉植物に読むアナロジー。
書きながら皮肉っぽい笑みが浮かぶ。いつもしづかにわらつてゐる。


ちょっと前、「死ぬ以外にも方法はある」と、自殺対策のお話の延長で、荻上チキさんがおっしゃっておりました。ラジオでね。自殺を思うひとへ呼びかけるように。自殺は相談窓口もあります。いっぽうで、他殺を志向するひともいます。刺すしかないと。ひとを殺すしかないんだと。こちらに、相談窓口は、ありません。「殺す以外にも方法はある」とも言っておきたい。フェアに。

伊集院光さんが、ずいぶん前にワイドショーのコメンテーターを降りたあと、その理由を語っていたインタビューがあって、それをたまーに思い出します。R25ってフリーペーパーの。


世の中を妬んで、最終的に殺人を犯す人のニュースがあったとして、恵まれていない人が、恵まれた人を妬むことに関しては肯定すべきだろうと思ってたんです。「そういうときもある」と。でも人殺しだけは絶対否定しなきゃならない。
ただそこでコメンテーター陣が「自分の努力が足りないのに、なんで人を妬むんだ」っていう空気になったときに「俺はわかります」って言えなかったんです。「人を妬むところまではわかる」って。
今現在、人を妬んでいる視聴者に「妬んで生まれた負のエネルギーみたいなものを、みんななんとか今日のところはオナニーをして寝ることで忘れて…やり過ごしてるから大丈夫だよ」って言わなきゃならないのに、言えない自分を“何それ”って思っちゃう。
もし俺が成功者を妬んでいてその番組を観ている立場だったら、「今のこの妬みは、俺は殺人犯としか共有できないのか」という話になるじゃないですか。でも違う。妬むし僻むしヒドいことを考えるけど、やらない。人間だから。やっても何も変わらないから。やらないで済ます方法はオナニーだと知っているのに、それを伝えられないくせに出るなと思ったんです。


「思う」まではわかる。こうした、じぶんの内側の細やかな厚みと襞をちゃんと知っていて、かつ表現できるひとが、それを伝えられずにいなくなることは、惜しいと思いつつも、「そういうものかもしれない」というあきらめも同時にあります。伊集院さんがワイドショーに出ていたのは、もうおそらく10年以上前だと思う。

ただ一点だけ「やらない。人間だから」という部分には、「いいえ。やるのも人間です」とシンプルな反意を書き添えておきたい。そのうえで、あなたもわたしも人間だから。殺人犯も人間です。これは、なんら含みのない、単なる事実です。目をつぶってはいけない。

わたしは荻上チキさんが「死ぬ以外にも方法はある」とおっしゃったとき、ぞっとしました。これは多分にことばを読み込み過ぎの被害妄想が混ざっておりますが、「死にたい」と願う思いすらわたしから奪おうというのか、と。

「死にたい」がわたしのお守りで、この気持ちがあるから、やっとのことで生きていられるような心情が、むかしからあります。大丈夫、いざとなったら、いなくなれる。出口はある。と想定するまでは自由です。具体的に死ぬ行為は、よくないと思う。あくまで、わたしの「思い」は奪ってくれるなということです。この領域にも介入してくる人間には、強い反発心をおぼえます。

逆にたぶん、「殺したい」をお守りにしている人間も、いるはずです。殺さないまでも。これを思うことで、息が継げる。「想定まで」でも、ちょっとらくになれる。「思う」まではだれにも奪えない。そこまで締め付けられたら、たまったものではありません。たまには思っても、よいのです。行動はいけません。口外も、書き込みも、よくないけれど。

かなり微妙なことを書いている。書いていないこともたくさんある。書かないことは、あきらめている。あきらめの量のほうが、いつだって膨大で。あきらめざるを得ないのは、表現力の問題かな。



コメント

ヤバいみやちゃん さんのコメント…
そう考えると、他殺志向の自殺って最強っすな。
nagataっちは前回、「私は誰の者でもない。自然物と一緒」という旨のコメントをされました。すると、貴方にとって、自殺とは他殺を意味します。なぜなら、私のものではない生命を私的所有物の如く破棄するのは他殺を意味するからです。そして、ハギチキさんの「死ぬ以外の方法」とその考えを応用した「殺す以外の方法」を止揚させると、他殺志向の自殺になるからです。だから、ハギチキに「テメエ死ぬ以外のことしろ!!」っていわれたら、「これはコロシだバカ野郎!!」ともいえるし、「テメエ殺し以外のことしろ!!」っていわれたら、「これはジサツだバカ野郎!!」ともいえる訳です。最終的には「テメエがオレと同一化してモノいうなら、オレもテメエと同一化して自殺志向の他殺でぶっコ○スぞ!!」と反発もできます。
ということで、nagataさん。アイツ、ヤッチマイマショウ。ポクは貴方が冷たい熱帯魚の社本のように理性を捨てて、感情を剥き出しにして暴力に走っている姿を鼻くそほじくりながら観て見たいのでね。

まあ、みなさん、これは冗談です。通報はしないでね(-。-)y-゜゜゜
nagata_tetsurou さんの投稿…
ヤバいみやちゃん、コメントはうれしいけれどなんか、「味をしめた」みたいな感じがしますよ。ふふふ。直接、お話したこともありますが、みやちゃんもブログを書いたらいいですよ。わたしも、めちゃんこコメントするから。広めるから。電柱にURLを貼ってまわるから。

わたしは荻上チキさんが好きだし、みやちゃんのロジックも、論理としてはその通りごもっともでわかるけれど、この記事でことばあそびをしているつもりはありません。これについては、する気もありません。ごめんね。

わたしはプロの書き手でもなんでもないけど、最低限の文責は負って書いています。わたしのブログが「励みになる」とおっしゃる方もいますから。ふざけているばかりでも、ないのよ。うふふ。ことばの扱いは、ていねいに、ね。4匹目のヤバいみやちゃん。きょうも図鑑が埋まります。

冷たい熱帯魚、また観なおしたいと思う。
こんど映画でも行こうよ。なんかさそいますね。
暇だったらつきあってたもれ。

おこってないよ。みやちゃんかわいいな。
わたしキモいでしょ。
了解したみやちゃん さんのコメント…
了解です。只々冷静になれました。nagata氏の懐の大きさに甘えてしまいました。すみません。

言い訳としては、アウトロー採用終わったら暫く連絡取らないだろうなって思ったので、今の内数回やり取りしてnagataさん成分を吸引しとこうと思ったのが事の発端です。他者に対する見せつけではないことだけはここに明記させて頂きます。変なロジックぶちまけたことは只々すいません。
前回の件もあるので、顔真っ赤にして只々反省してます。調子乗りました。

ということで、今度、お暇なときは、是非、映画に行きましょう。ちゃんと駄目な時は駄目と指摘してくれてありがとです。
nagata_tetsurou さんの投稿…
甘えてもよいのです。ただ、甘えるときは、人目をはばかるんだゾ☆
わたしは男女もセクシュアリティも関係なく、だれにでもこういう態度です。ピースフル。ただし、浮気はしません。どうもね、なんか、いまだに性的に未分化なこどもみたいなところがあります。

みんな勘繰るけど、わたしにはわからない。おとはな下品だ。
ふつうに、好きな人がたくさんいて、どうしていけないんだ。男同士でも、みんなと手をつないだら、どうしていけないんだ。
わからない。

いまだにわたしは、性的な存在たりえていません。
ピュア過ぎてむしろキモいよね(笑)。

「nagataさん成分を吸引しとこう」というよくわからない言い訳が、みやちゃんらしくておもしろいですネ。吸引できていますか。いくらでもスーハースーハーしてくれ。

一点だけ加えておくと、いちおうここも公共スペースですから、冗談でもなるべく伝わるように、エンターテインしたく思っています。英語の「entertain」には「受け入れる」という意味もあります。まずは二者関係を受け入れて、かつ第三者へも受け入れていただけますように。

内輪だけではなく、もすこし広くね。下ネタも暴力も気品をもって。弛緩しきった内輪の空気とか、馴れ合いとか、好きではないのです。

ゆるゆる家でリラックスしながら書き込みをしていると「自分のホーム」って感覚をもってしまいがちだけれど、インターネットは常在戦場です。すべてのフィールドがアウェイです。世知辛いぜよ。

そんな中でも、ラブとピースとユーモアを絶やさぬようにと戒めつつ、ね。とくに笑えない空気はわたくし、いたたまれないんです。映画、ちかいうちに、お誘いするから。またね。