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日記616


大阪、中崎町。アマントというお店。9月11日(火)。すこしだけ遅い夕飯を食べる。お客さん、だれもいなかった。ひとりくらいいたかな。いや、いなかったと思う。静かな店内。静止したモノ。空間がまるごとぴったり止まる光景。改めて静止を意識することもなかなかない。動くものにばかり目が行くから。止まっている空間が相手でも、眼球はつねに動いていた。カレーを食べた。

葉ね文庫という本屋さんに寄った帰りだった。店主とお客さんが台風被害の話をしていた。店主である池上きくこさんの関西弁は失礼ながらとてもかわいらしいと思う。関西風に言えば、かいらし。抑揚はやわらかく、なんというか、受け身がしっかりとれている感じ。確実に受けたのち明快な反射光を短く投げる。そんなことを思いながら、座って棚を眺めていた。ぜんぜん知らないひとの印象を知らないまま書いている。棚の狭間で、見つからないように黙って止まったもののふりをした。うちの棚にもある千坂恭二さんの本が中古であった。



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