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日記630


平日18時台にやっているNHKの首都圏ネットワークで、ヤギに除草をしてもらう映像が流れていました。草を食べるヤギの横で、こどもたちがはしゃぎまわって。ひとりのお子さんがマイクを向けられ「ヤギ、かわいい」とお話をする。

画面はスタジオに戻り、田所拓也アナウンサーがひとこと加える段へ。いわく「ヤギもかわいいけど、こどもたちにもかわいいと伝えたいですね」。うん、そうそう。そうなんです。じゃあ、わたしは「こどもたちにもかわいいと伝えたい、そんな田所もかわいいゾ」と、この場をお借りしてお伝えしたいと思います。きみにとどけ。結局、かわいいのは田所なんです。ヤギよりもこどもよりも。田所。ずるいなー。拓也はぜんぶもってくんだもんなー。いっつもそうじゃんもー。

いや、まだもってかれない望みはありそうです。「こどもたちにもかわいいと伝えたいという田所アナにもかわいいと伝えたい、そんなユーもかわいいよ」と、ユー呼ばわりでほめてくれる人物がこの世のどこかにいるはず。するとこんどはお返しに「こどもたちにもかわいいと伝えたいという田所アナにもかわいいと伝えたいわたしにもかわいいと言ってくれるそこのあなたもまたかわいい!」と伝えます。

さらにそのやりとりを見た第三者がまたまた全員に「かわいい」をかぶせて……と、このように次々と「かわいい」が増殖し、かわいい無限連鎖講ができあがります。世界中の人々に「かわいい」という形容があてはめられ、「かわいい」が無限に膨張してゆく。熱気を帯びてふくれあがった「かわいい」たちは、やがて太陽をのみこみあたらしい光を生成しだす。地球に届いたその光は醜い人間たちの世界を焼き払い、かわいく殲滅させる。そして、現生人類はひとり残らずかわいいやつらに生まれ変わるのです。かわいい人類史の幕開けぜよ。どんなだ。

それもこれも、元はと言えば田所のせいです。もってかれないと思いきや、ほんとうにぜんぶもってくんだもんなー。でも醜い現在の人類が殲滅されてハッピーエンドだよ。ありがとう、拓也。





写真、捨てられた赤旗広告の高畑勲と加藤剛はおふたりともことしお亡くなりに。並んでいるのはたまたまでしょうか。加藤剛の左はおそらく瀬戸内寂聴です。念のためいま検索したら彼女はご健在。大正11年生。関係ないけど「大正九年」という名前のミュージシャンがいて、たまにわけもなく思い出します。


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