スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

2月, 2025の投稿を表示しています

日記1031 思いつきメモ

 思いつきメモ。 幻覚剤が精神疾患に効くんじゃないか? という話があって、めっちゃ大雑把にいえば「幻覚剤で文脈を揺さぶる」的な説明(仮説)がなされていた。デヴィッド・ナット『幻覚剤と精神医学の最前線』(草思社)、あとマイケル・ポーランのいくつかの本を参照したうえでの理解。 なんか斎藤環『イルカと否定神学』(医学書院)に書かれていたオープンダイアローグの効果(これも仮説ではあるが)と似ているように思った。 方法としては、かたや幻覚剤(超ケミカル!)、かたや対話(超ヘルシー!)とまったく異なる。しかし機序の説明が似ている。素人の臆見に過ぎないが、この相似は非常に興味深く思う。 もしかしたら、すでに誰か指摘しているのかもしれない。あるいは、こんな(突拍子もない)つながりを見いだす人間は自分くらいなのかもしれない。野蛮な奴が野蛮な発想をしている、と思ってもらってかまわない。同じ分野とはいえ、まるで毛色のちがう本を並行的に手にする好奇心がすでに、野蛮なもんだろう。 以下『幻覚剤と精神医学の最前線』からすこし引用する。  “スモールワールド性を持つ脳のローカル接続は、すべての事前知識に依存している。私たちが乳幼児期から培ってきた、ありとあらゆる状況に対する事前知識である。これは、日常生活を送るうえで、極めて優れた仕組みとなっている。エネルギー効率も非常に高い。私たちの脳は、既知のいかなるコンピュータに比べても、10倍の効率性を誇る。  その一方で、脳のこの効率性は、柔軟性の欠如や創造性の喪失といった、いくらかの代償をともなう。そして、この効率的に働くネットワークのうち自尊心や人生に対する姿勢を決定するものが不適応だとしたら、精神疾患を引き起こす可能性がある。  サイロシビンの影響下では、そして後の研究で示されたようにLSD影響下でも、脳内のつながりが図3bのように変化する。より多くの脳領域の間に、新たなつながりが大量に生まれていることがわかるだろう。「スモールワールド」が、「ラージワールド」ネットワークになるのだ。いつものネットワーク内でのコミュニケーションが断ち切られ、ネットワーク間の相互作用が増幅される。手かせが外れた脳はすっかり自由になり、幼児期以来なったことがない状態に戻るのだ。  このことは、幻覚剤を摂取した人々が描写する、意識の広がりや宇宙とのつながりといっ...