10月24日(日) 目が醒めた瞬間、「ここどこ?」と思った。見知らぬ、天井。梅田のホテルだった。この日は、心斎橋でべつの友人と会う。急な連絡にもかかわらず時間をつくってくれた。ありがたい。パルコの、ブックフェアを開催しているスペースで待ち合わせ。思っていたより濃い選書でおもしろかった。 出店するのは、「LVDB BOOKS」(東住吉区)、自転車店「タラウマラ」(東淀川区)、僧侶が運営するカフェ「サイノツノ」(大阪府和泉市)、朝7時から営業するレコード店「Tobira Records」の4店。LVDB BOOKSの上林(かんばやし)翼店長が声を掛け、特色ある店がお薦めの本を紹介する。 心斎橋パルコでブックフェア 個性的な4店による合同展示販売会 - なんば経済新聞 お会いしたのは「サイノツノ」のお兄さん。別れるまでえんえん本にまつわる話をしていた気がする。ふだん使わない語彙を気兼ねなく使う。いつもぼやんと思っていることに肉声が与えられたような、余していたことばが熱を帯びてふくらむここち。 交わしたことばをふりかえると、自分は「あいだ」に立ちたがるクセがあるのだなーと改めて実感する。ブログにはよく書いているけれど、何事も「どちらか」のみでは語れない。そう思っている。まずは矛盾から始めたい。そんなんだから話がすっきりしなかったり、分かりづらかったりするんだろう……。 余談ながら、郡司ペギオ幸夫に惹かれる理由がなんとなくわかった。矛盾を体よく整理しない、不格好なスタイルで愚直に考える。それがおもしろい。郡司氏にかぎらず、わたしは矛盾を起点とする格好悪さに惹かれる。ボタンの掛けちがいを性急になおさず、いちど手を止めてべつの感覚で捉え返すような。 パルコに戻る。しばらく本を眺めて……カレー屋に行ったか、喫茶店に行ったか。記憶の時系列があやふやだ。喫茶店ということにしておこう。平岡珈琲店。コーヒーとドーナツのセットを頼む。おいしい。お店に置いてあった雑誌『SAVVY』を見せてもらう。小欄で「サイノツノ」が紹介されていた。いい笑顔の写真。話すなかで、『リバー・ワールド』(書肆侃侃房)という現代川柳の句集を教えてもらう。川合大祐著。おもしろそう。 昼食。カレー屋のラヴィリンスに向かう。「ヴィ」が気持ち悪くて素敵。掟ポルシェ御用達のお店らしい。...