影の流れるようす。どこにでもある。夜になれば、まいにち誰の目にも入っているはずの光と影による現象。写真として切り取ってみる。走りくる車のヘッドライトに次々と照らされ、幾重にも複層化しながら規則的に動く植物の残影。車が通り過ぎるたびに現れては消える。こどもの頃からじっと見てしまうもののひとつ。洗濯機のまわるようすをえんえん眺めるような感覚にちかい。わたしには葉や枝や茎などよりも、その影のほうが確固たる実在に思えた。鮮やかでさえある。自由さがある。なんでだろう。わたしの円周を巡る、この黒いやつのほうがのびのびできている。自分の影にも嫉妬する。 吉祥寺にある爬虫類カフェのinstagramで多様な爬虫類と絡み合う人々を見ていると、「爬虫類ってどんなにおいがするんだろう?」と思う。イメージとしては無臭。と書いてから適当に検索してみたら、その通り無臭らしい。でも生きているのだから、鼻をちかづけて集中すれば、わずかでもなんらかの体臭は発していそう。生きた爬虫類のにおいを嗅ぎたい。ヘビとイグアナではちがうにおいがするだろう。食生活がちがえばおそらく。ソムリエみたいにテイスティングして当てられるようになりたい。そういう職業があれば就きたい。生きているやつ舐めたらしょっぱいのだろうか。苦そう。カメレオンは甘そう。ゴムっぽい感じかな。舐めないけどね。爬虫類を舐めながら性的に興奮する男性がいたらすこし気持ち悪いと思う。でもいてくれたらうれしいかもしれない。多様性を感じる。人間という生物種の可能性を感じる。いや、いるんじゃないか。しかしさすがにこれは検索しない。詮索する気はない。不確かにしておいたほうが賢明なことも世の中には数多くある。疑問符を置くにとどめよう。 そんなことより給湯器が壊れてお湯がいきなり水になってしまう。風呂場で気が休まらず。 ミラーボールに魅せられた人種がよかったなあ。悪魔が取り憑いたみたいにfreakな。11月25日(日)、下北沢THREEというライブハウスに行きました。音楽ライブ。出演は3組。uminism、万里慧とYo Asaiと菊淋 、もらすとしずむ。万里慧さんはふだんソロ。 下北沢駅の南口から歩いて「あれ、これ道まちがったかなーあってるかなー」とほんのり不安がよぎる頃にちょうど見えてくる場所が下北沢THREEです。「ああ、あっ...