缶チラと釘チラ。 街にあふれるチラリズムを撮影する、チラリズム写真家として食っていけるのではないか。この椅子は空いている。需要がないか。エロいやつかと勘違いした男性に怒られそう。エロい気持ちを台無しにしてごめん。 でも缶や釘もエロいと思うんだ。気持ちをいったん落ち着けて、ゆっくり想像してごらん。彼らの秘部を。あせらずじっと見つめていれば、だんだんと高ぶるものがあるはず。胸が躍るはず。やがて頬がじんわり熱を帯びて、薄赤く染まる。……ね。それは本物の紳士だけに許されし高貴なエロ。動物とはちがう、人間にしかないエロのかたちです。天皇の家系は代々こういうもので興奮しています。そうした情操教育を受けます。やんごとなき至高のエロなのです。たぶん。限りなく確信に近い妄想です。すぐわかりやすいエロに飛びつく庶民感覚もいいけれど、この世界にはもっと多様で豊穣なエロの沃野があるのです。 カバチラとクマチラ。 このちらりとほの見えるかわいらしさたるやどうでしょう。耳からひょっこり出現しているクマ。うしろを向いている黒い塊も味がある。カバにいたっては、まるでソース漬けにされているようだ。プール真っ黒。ほんとうにカバなのかさえわからない。もぐったままぜんぜん出てきませんでした。「カバ」と書いてある看板を信じるほかない状態。背中だけ見せて「さて、オレはほんとうにカバかな?」と水中のカバがほくそ笑む。カバであることはわかっているのに不安になる。カバだろお前。カーバカーバ。……こっち向いてよ。顔をみせてくれ。お願い。 9月29日(土) 朝から頭痛がする。天気の影響だろうか。台風がきているという。雨で肌寒い。ズキズキと脈に合わせて左のこめかみが痛む。いま立ちながら書いています。血流で痛み方が変わるため立ち姿勢。坐るより横になるより、いちばん痛まないと思う。ちょうどいい高さの本棚の上を片付けて、パソコンを置く。本は床に積む。比較的らくでいられる。 メリットは多いかな。立ちっぱなしで機動力を確保しておくと次のアクションをスムーズにおこなえます。腰を落ち着けるとふたたび立ち上がる意志がなくなってしまう。「立つ」「歩く」「しゃがむ」などの動作は連続している。いったん「坐る」までいくと、動作の連続性が途切れる。もういちど「立つ」へ身体をもっていくには微力...